認知症と意思能力について

意思能力とは、自分の意思を表示することができる能力のことを言います。日常生活においては、特にそれに関して問題を抱えていない人であれば、この能力をごく自然に利用しています。そしてそのことで、些細な事柄から重大な事柄まで、様々な事柄に関して自分の意思を反映させたり、判断を下したりしています。また、契約や売買などの法律行為においてこの能力は、欠かすことができない存在です。この能力がない、もしくは欠如した状態で行われた契約や売買は、法律では無効と判断されることがほとんどです。この能力が弱いと判断されるのは、たとえば10歳未満の幼児であったり、泥酔者、重度の精神疾患を抱えている人などとされており、そして昨今では、認知症の人も該当すると言われています。勿論、その症状の程度により、まったくその能力に問題がない人もおられます。しかし、そうした人たちに狙いを定めた詐欺犯罪などが後を絶たない中で、その周りの人たちが、その人たちを守ろうとする動きは非常に重要だと言えます。たとえば、本人の意思能力の程度に応じて、法律行為を代理で行ったり、本人の同意なしで行われた法律行為を取り消すことを行うことができる補助、保佐、後見と言った制度は、そうした動きの代表格と言えます。これには、家庭裁判所が補助人、保佐人、後見人を選ぶ法定後見人制度と、公正証書により代理権を与える契約を結ぶ任意後見制度が関係しています。特に任意後見制度は、自分の意思表示能力および判断能力がある内に、前もって代理人を選び契約を結んでおく制度であり、早い内から自分の意思能力の変化に備えておくと言う面からみても、有効な存在と言えます。

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